新潟県庁

Blancco Drive Eraser 導入事例 – 新潟県

260以上の拠点に配置した約6,000台のPCをオンサイトで消去
LGWAN環境下に展開した管理コンソールで消去の進捗を可視化
総務省のガイドラインに準拠したオペレーションを実現

デジタル改革を推進する新潟県は、Blanccoのソリューションを活用し、県内24市町村260箇所および県外2箇所に配置するリース契約期間満了を迎えた約6,000台のPCのデータ消去と消去レポートの収集をネットワーク経由で実施。総務省のガイドラインで義務付けられた設置場所でのオンサイト消去を実現すると同時に、ネットワーク経由の処理により、従来と比べて大幅な業務効率化と約50%のコスト削減に成功。

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お客様情報

四季折々の豊かな自然と美しい景観を持ち、古くから水運の拠点として栄えた歴史と文化が息づく新潟県は、農業や観光だけでなく、ものづくりをはじめとした多種多様な産業基盤と技術の蓄積、そして充実した交通インフラも大きな強みです。現在は県政運営の総合的な指針である「新潟県総合計画」において「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を基本理念として掲げ、その実現に向けて様々な政策を推進しています。

導入製品/ソリューション

導入パートナー

FLCS

Blanccoが実現していること

  • 総務省が策定した「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に準拠したオペレーション
  • 県内24市町村260箇所および県外2箇所に配置した約6,000台のPCの約95%をネットワーク経由で効率的に消去
  • Blancco Drive Eraserを資産管理ソフトからネットワーク経由ですべてのPCに一括配信
  • 安全なLGWAN環境下に展開したBlancco Management Consoleで消去の進捗を可視化、同時に消去レポートの収集を自動化
  • スタッフが各拠点を訪問して行う従来のオンサイト消去と比べて、約50%のコスト削減を達成

Blanccoは、データ消去の進捗がきちんと確認できる点が非常によかったと思いました。本庁に設置したコンソールから日々の消去の進捗をリアルタイムに確認できたので安心して見守ることができました

荒川 和也 氏

新潟県
知事政策局 ICT推進課
行政デジタル化推進システム調整担当
主事

デジタル改革を推進する新潟県

県政運営の総合的な指針である「新潟県総合計画」において「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を基本理念として掲げ、様々な政策を推進している新潟県。令和4年(2022年)の改訂において、同計画には新たに「デジタル改革の推進」が盛り込まれ、「暮らしにおけるDX」「産業におけるDX」「行政におけるDX」の3つの分野で改革を進めています。

「行政におけるDX」を担当する新潟県 知事政策局 ICT推進課は、行政サービスのオンライン化、職員の働き方変革、デジタル人材の育成などを中心に庁内のデジタル改革を進めています。同課の髙木 孝 氏は次のように話します。

新潟県庁
新潟県庁

「デジタル活用により仕事のやり方を見直し、単調な作業を大幅に効率化することで、新たな価値を生み出すような業務により多くのリソースを割いていく。そういったことにスピード感を持って取り組んでいるところです」(髙木氏)

髙木 孝 氏

新潟県
知事政策局 ICT推進課
行政デジタル化推進班 デジタル基盤担当
政策企画員

働き方変革を実現するモバイルPCの導入と管理

ICT推進課の直近の大きな取り組みのひとつが、全職員へのモバイルPCの展開と庁内無線LAN環境の整備でした。モバイルPC調達の狙いと管理について、同課の小田 貴大 氏は次のように話します。

「全職員がどこからでも安全に業務ができるようにしています。モバイルPCには閉域SIMを搭載しており、一般のインターネット回線を使わず、SIM回線を利用した安全なネットワーク接続が可能です。さらに、これらPCは資産管理ソフトによる一元管理を実現しており、それぞれのPCにインストールされているアプリケーションとその利用状況やPCの操作ログなどを管理者から確認できるようになっています」(小田氏)

小田 貴大 氏

新潟県
知事政策局 ICT推進課
行政デジタル化推進班 デジタル基盤担当
主任

約6,000台のPCのリース契約期間満了に伴うデータ消去

このように庁内のデジタル改革を進めているICT推進課ですが、PC管理に関わる新しい課題に直面します。それは県内24市町村260箇所および県外2箇所に配置した約6,000台の古いPCのリース契約期間満了に伴う返却前のデータ消去です。新潟県では以前まで、事前に新潟県の承認を得れば、リース契約満了時にリース会社のスタッフが設置場所からPCを回収した後でデータ消去を実施できる運用としていました。

しかし、総務省が自治体向けに策定した「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の見直しが行われ、オンサイトでのデータ消去が義務付けられたため、従来の運用では作業が実施できなくなりました。そのため、膨大な返却数のPCについて、オンサイトでどのように作業を効率化するか、どのようにリース会社と新潟県にかかるコストと時間を抑えるかが課題となったのです。ICT推進課の荒川 和也 氏は次のように話します。

「総務省のガイドラインの改訂によりオンサイト消去が義務化されましたが、すべての拠点にスタッフが訪問するやり方で消去を実施した場合のコストと時間は膨大なものになり、返却までのスケジュールも長期化してしまいます。そのため、どのように効率化できるか頭を悩ませていました」(荒川氏)

県内24市町村260箇所および県外2箇所に配置した約6,000台のPC

Blancco Drive Eraserをネットワーク経由ですべてのPCに配布

そこで、リース会社のFLCS株式会社(以降、FLCS社)は、Blancco Drive EraserをMSIファイルとして資産管理ソフト経由で全職員のPCに配布し、職員の操作によりPCの設置場所にて消去を行うというソリューションを提案しました。FLCS社の浅利 健 氏は、次のように話します。

「Blancco Drive EraserはMSIファイルとしてネットワーク経由でリモートにあるPCに直接配布することができます。配布先のPC上で消去を実行するには、職員の皆様に少し協力いただく必要がありますが、PCの設置場所での消去が可能です。さらに、消去後に消去レポートをネットワーク経由で収集できるため、進捗管理が容易になります」(浅利氏)

浅利 健 氏

FLCS株式会社
新潟営業所長

また、消去の進捗管理とレポート収集には管理コンソールであるBlancco Management Consoleが必要です。通常であればクラウドサービスを利用するのが一般的ですが、LGWAN環境下にオンプレミスで展開することで、自治体に求められる安全な通信を確保した上で、本庁のICT推進課から一元管理できるようにします。

「オンプレミスと言っても、モバイルPCを一台、準備いただきLGWAN環境下に設置するだけですので、サーバ構築は行いません。理想的にはバックアップなどがあるのでサーバはあった方がいいですが、基本的な機能はモバイルPCでも十分に動作しますので、今回はコストや工数を抑えるために簡易的にPCで実装した方がいいと考えました」(浅利氏)

これらソリューションの提案についてICT推進課の荒川 氏は次のように話します。

「他の方法では実現が難しい中、オンサイトで消去を効率的に実現する方法としては、ある程度予想はしていましたので、私たちが協力させていただくことで実現できるなら、ぜひ、協力させていただきたいと考えました」(荒川氏)

FLCS社が提案したデータ消去ソリューション

データ消去をネットワーク経由で実施する上での課題

ただ、計画段階において、職員が多忙により作業ができない、そもそもPCが起動しないなどのケースが想定されたため、ソリューションとしては、MSIファイルのネットワーク配布だけでなく、FLCS社のスタッフが訪問して行う消去、そして、物理破壊の3つのパターンを組み合わせて計画を進めました。当初、ネットワーク経由で処理できるのは、全体の半分になる約3,000台を想定していたと言います。

「職員の方々にとっては業務外の作業になるため、実際にネットワーク経由で処理できるのは、全体の半分くらいだろうと感じていました」(浅利氏)

さらに、ソフトウェア配布後の操作に関しても、操作の難しさから対応してもらえるかどうか懸念があったと言います。

「消去の設定の際にBIOSでの操作はないと思っていたのですが、検証時にやはりBIOSの操作が必要と判明しました。普段から利用する画面ではないので、負担に感じてしまう職員も出てくると感じていました」(荒川氏)

しかし、2023年の12月にICT推進課の300台のPCを対象にした先行検証では、消去と消去レポートの収集が想定よりもスムーズに進み、すべてのPCを対象にした場合でも、当初の見込みの半分を超えて、8割〜9割くらいまでネットワーク経由で処理できるという期待を持てるようになったと言います。この先行検証では、他にもソフトウェアの設定や配布を行う資産管理ソフトの設定の検討、全職員に配布する手順書の制作などが行われました。その他、先行検証で判明した大きなポイントとしては、ソフトウェア配布時のネットワークの負荷を抑えるために夜間バッチとして処理することでした。

全体の約95%のPCをネットワーク経由で消去

そして、2024年1月中旬頃から、ICT推進課から各所属長に対してデータ消去作業の依頼書・手順書の発信、そして、資産管理ソフト経由でMSIファイル化されたBlancco Drive Eraserの配布がスタートしました。消去作業と消去レポートの回収は順調に進み、結果として2ヶ月ほどの期間で、全体の約95%のPCをネットワーク経由で処理できたと言います。

「結果として、弊社が手作業で消去を行なったのは300〜400台程度でしたので、全体の約95%のPCをネットワークで処理できました。これは当初の見込みをはるかに上回っています。操作自体は簡単とは言え、BIOS画面の設定もあり想定より難しくはなっているはずですが、職員の皆様に協力いただくことができました」(浅利氏)

また、この期間中に、職員からの消去に関する問い合わせや不満の声はほとんどなかったと言います。これは、事前に手順書で周知できたこと、そして、普段から定期的に実施している職員へのセキュリティ教育に寄るものが大きいと言います。

「手順書では、オペレーションをシンプルに整理しつつ、スクリーンキャプチャを載せて、なるべく直感的に理解してもらえるように心がけました。また、新潟県庁では、職員を対象にしたセキュリティ教育にも力を入れておりますので、PCのデータ消去がセキュリティのために必要な作業であると理解してもらえたと考えています」(荒川氏)

今までのやり方と比べて約50%のコスト削減を実現

今回の取り組みのコスト効果と成功要因についてFLCS社の浅利氏は次のように話します。

「最終的に全体の約95%をネットワーク経由で処理できたので、単純な比較ではありますが、コストとしては約50%抑えることができました。内訳としてはスタッフの作業費や移動交通費を大きく抑えることができました。成功要因は、ICT推進課の皆様にご尽力いただいた部分ではありますが、Blanccoと資産管理ソフトを連携できたことが最も大きかったと思います。対象となるPCから先にコンピュータ名を取得する、さらに、PCに合わせてBlanccoの設定を行うなど詳細な検証を行っていただきました。いずれにしても、消去作業がスムーズに進んだのは、新潟県の職員の皆様のセキュリティ意識の高さによるところが大きいと思います」(浅利氏)

荒川氏はBlanccoのソリューションついて次のように評価します。

「Blanccoは、データ消去の進捗がきちんと確認できる点が非常によかったと思いました。本庁に設置したコンソールから日々の消去の進捗をリアルタイムに確認できたので安心して見守ることができました」(荒川氏)

Blancco Management Console の画面

そして、小田氏は今回のデータ消去について、今後の県庁内での活用を視野に入れつつ、次ように話します。

「新潟県としてオンサイト消去の新しい実績ができました。ネットワーク配布やBIOSの設定など運用時の課題も明らかになったので、今後、新しいPCに対しても、利用終了時のデータ消去を見据えた準備ができますし、ICT推進課で主導してデータ消去を進めることができます」(小田氏)

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本文中の記載されている内容は、2024年8月現在のものです。

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